Image Materializes◆捨てる

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イメージは物質化する◆執着を手放す

その理由は、二つしかありません。一つは、実は成功を心から願っているわけではないということ。つまり、真剣に成功したいと思っていないからです。二つ目の理由は、本に書いてある内容が、真の意味で腑に落ちていないからです。

自分の望みをすべて実現する力が、実はすでにあなたには備わっている

 

与える

 

手に入れるために、男は努力した

それでも、蓄えが豊かになることはなかった

男は賢者に訴えた

すがるような声で答えを求めた

「教えてください、

どうすれば成功をつかめるのですか」

賢者は答えた

「手に入れるには、与えなければならない」

男はさらに問いかけた

「私には何が与えられるというのです

私には生きていくのにぎりぎりの糧しかない

そして食べなければいきていくことはできない

ならば、私の人生を分け与えましょう」

すると賢者は言った「もっと与えることだ」

男は学んだ

手に入れる方法を、自分は忘れていた

男は湧き起こった慈愛を胸に

世の人々に目を向けた

実りある生を分け与えた男には

喜びに満ちた日々が訪れた

与えることこそが、豊かさの鍵だったのだ

 

 アーサー・ウィリアム・ビア

何かを手に入れるには、その前にまず何かを捨てなければならない

わたしの叔母のマーグは、こどものように純粋な信仰を持ち、繁栄を司るもっとも重要な法則を深く理解している人です。わたしは彼女に豊かになるための「空白の法則」という真理を教えたのですが、今でも会いに行くと、必ずといっていいほどそのことへの心からの感謝を受けます。

実際に、この真理によって、叔母とその家族の人生は一変し、人生を大いに楽しめるようになりました。その気づきがなければ、彼女はこのかけがえのないすばらしい人生を知ることはなかったかもしれません。

マーグがはじめてこの法則を知ったのは、十年前にわたしの豊かさセミナーに家族で参加したときです。そのセミナーの後、わたしは彼女の家を訪ね、彼女と彼女の夫ドンとともに、豊かさをもたらすいろいろな知恵について話をしました。

その会話の中で、彼らの家について話がおよぶと、マーグはリビングルームを見ながら、腹立たしげに「もう今の生活にはうんざりだわ」と言いました。

 

マーグはカーテンを指さし、「この古いカーテンなんて見るのも嫌よ」と不平を述べました。わたしは笑顔で彼女をなだめながら言いました。「それはきっと本心じゃないね。ここにずっとかけてあるのは、本心ではこのカーテンに愛着を抱いているからに違いない。なざなら、人は自分が愛着を抱いているものや調和できるものしか買わないのだから」

しかしマーグは、こんなに不愉快なものに自分が「愛着」を抱いているとはとても思えないと言ったのです。

 

わたしは説明を続けました。「例えば、君が仲の良い友人やお気に入りの物に感じる愛着は、お互いの振動が共鳴し合うから起こるんだ。つまり『愛』とは、お互いの振動が調和(共鳴)している状態のことを指すんだよ。これがこの宇宙の厳然と存在している法則なんだ」

 

そして、わたしはマーグに言いました。「もし本当にこのカーテンが嫌なら、とっくに取り外して処分したり、寄付しているはずだよ」

 

すると夫のドンが、「マーグがそのカーテンを処分せずにそのままにしているのは、それに代わるカーテンが家にないのと、それに新しいカーテンを買うお金もないからだよ」と割って入りました。

 

そこで、わたしはつぎのように答えました。「いいかい。新しいカーテンをかけるには、まずかけるためのスペースをつくらないといけないよね。実は、豊かになるためにの『空白の法則』のポイントもまさにそこにあるんだよ。例えば、その古いカーテンを外せば、そこに新しいカーテンのためのスペースが生まれるわけだよ」

つまり、何かを手に入れるには、その前にまず何かを捨てなければならないということです。といっても、この法則を聞いてすぐに理解するのが難しいことは、わたしも理解しています。そして、理解していないことを実践するのがさらに難しいのは当然のこと。

 

しかし、マーグは行動を起こしました。ずっと嫌いだと思い続けてきたカーテンを取り外しはじめたのです。彼女は今まさに、これまでずっとストレスの要因の一つであった物体から解放されようとしていたのです。

このカーテンが目に入るたびに、マーグの心のスクリーンにネガティブなイメージが投影されていました。その結果、彼女の振動は後ろ向きのものとなり、その結果、人生に嫌なことをますます引き寄せてしまっていたのです。

マーグがカーテンを取り外しはじめると、ドンが何をしているんだと怒りました。でも、夫の声にマーグは耳を貸さずにわたしが言ったようにカーテンを取り外し続けたのです。

ドンはあきらめ顔で「あーぁ、これじゃぁ新しいカーテンを買わなきゃいけない」とぼやきました。そんな彼らに、わたしは「新しいカーテンをどうやって手に入れようかなんて心配しなくていいよ。重要なものは、それを本当に必要とすれば必ず手に入るものさ。原理は難しくないよ。簡単にいうなら、人は水槽の中でじっとしていることに、そのうち耐えられなくなってくるってことさ」

 

しばらくは、ドンとマーグはカーテンなしで生活していましたが、わたしが再度彼らの家を訪問したときには、マーグのお気に入りのカーテンがかかっていました。マーグはこれを機に、わたしが教えた真理への理解を深めていくことになりました。

それからまもなく、二人の家の家具はすっかり取り払われてしまいました。マーグがそれまで長年使ってきた家具を一式手放してしまったのです。そうすることはつまり、マーグにとってお気に入りのものを手に入れるためのスペースを確保したことになったのです。実際にはほどなくすると、家の家具はすべて新調され、内装も一新されました。まさにマーグが夢見ていた希望どおりの状態になったというわけです。

数日前、わたしは妻のリンダとマーグの家を訪ねました。帰りの車中で妻が「本当にすてきな家だったわね」と言ったので、それまでの経緯をすべて知るわたしは、ほほえまずにはいられませんでした。何しろ、何かを捨てるたびに彼らの家でくりひろげられる、バトルのセコンド役を務めてきたのですから。

 

最後に電話でマーグと話したとき、彼女はこんなことを言っていました。「ちょっとした知識があるかないかで、人生がこんなに変わるなんて不思議よね。ちょっとの違いが、こんなにも大きな違いになるなんてね」

彼女の言っていることは、まったくそのとおりです。小さな気づきが、結果に大きな違いを生むのです。もし、あなたの身の回りに、気に入らないものがあるのであれば、それを手放してください。そうすれば、あなたの欲しいもののためのスペースができます。この「空白の法則」は、あなたの人生のいろいろな面に適用できることです。

この法則については、わたしは幾度となくセミナーで伝えてきました。

多くの女性が、新しい洋服を買うたびに、無理して他の服を押し込んで新しい洋服をハンガーにかけている人は少なくありません。でも、クローゼットにかかっている服のほとんどが、実際に着ることのないもののはずです。

 

もちろん、中には高額な服なのでなかなか捨てられないというものもあるでしょうしかし、もしほとんど着ていないのだとしたら、それは着たくない(つまり、どこか気に入らないところがある)からクローゼットにしまい込んでいるわけです。それは本人もよくわかっているはずです。そうならば、そういう不要な服は手放してしまうことです。そうすれば、新しい服のためのスペースが生まれ、必然的に新しい服がそこにかけられることになります。

 

では、さっそくこれを実践してみましょう。

まず、クローゼットの中の服を丁寧にチェックして、もう着ないものをより分けてください。それが終わったら、より分けた服をすべて処分します。そうすることで、クローゼットはほどなく、新しいお気に入りの服でいっぱいになることでしょう。

 

これは決して終わることなく続きます。ですから、今後の人生で常に意識するようにしてください。あなたが心から欲しいもののためにスペースをつくることです。豊かになるための空白の法則のポイントは、新しいものを受け入れる前に、そのためのスペースを用意すること。そのために古いものを処分するということです。

もう一つ注意するポイントがあります。不要のものを処分するときに、売却せずに、ただ手放すようにしてください。古本を買い取ってもらうのではなく、そのまま破棄または寄付するということです。

こういうと、ちょっといぶかしく思われるかもしれません。しかし、「与えることは、実は受け取ること」なのです。このことを覚えておいてください。

古い物を売ってしまえば、それであなたが手にするのは、古くなった物に対するわずかなお金です。それを受け取ってしまえば、もう他に受け取るものはなくなり「空白の法則」の効力も消えます。この考え方は、最初はピンとこないかもしれませんが、これは実際にそうなのでしっかりと守ってください。

 

それから、これはとても大切なことなので、よく心に留めておいてください。どんなに与えすぎても、与えすぎるということはありません。そして、与えると、必ずその見返りとして何かを受け取ることになります。同じ相手からその見返りを受け取ることはめったにありませんが、水が上から下に流れるがごとく、それは確実に起こります。

 

この宇宙の普遍的法則をしっかりと身につければ、すばらしい恩恵を受けることができます。思い出してほしいのは、この法則は個人レベル、ある事象ごとの話ではなく、常に正確に働いている無限の力によるものだという点です。だからこそ、あなたが何か望むものがあるのであれば、そのためのスペースを用意しておくことです!

 

なお、この「空白の法則」は物質界だけでなく、メンタル(精神)界にも当てはまります。つまり、新しいアイデアを求めるのなら、古いアイデア(考え・価値観)を捨てる必要があるということです。

ただ、多くの人が、これがなかなかできずにいます。古い考えを捨てることができないがために、新しいアイデアに対して、同調できなかったり、素直に受け入れることができなかったりします。そして、「やっぱりやめておこう。いや、やろう。うーん、やっぱりやめよう」というように、二つの考えの間で常に揺れ動きながら一生を過ごします。このような精神状態を「優柔不断」と呼ぶわけですが、これがときに精神的苦痛や混乱の元となっています。そして、この「優柔不断」と「迷い」こそが、人生において大きなことを成すのを妨げている大きな要因の一つにほかなりません。

 

「真の自己」に限界はないことを認識する

わたしたちはなぜ、古い考え(常識)や古い物にしがみついてしまうのでしょうか? おそらく、あなたもこの疑問に少なからず興味があるはずです。これについては、千人の人に聞けば、一冊の本が書けるくらいのさまざまな答えが返ってくることでしょう。ただし、それらのほとんどは二次的なものであり、この深刻な問題の根本的原因ではないでしょう。

しかし、ひとたびこの問題の根本的原因を知ってしまえば、それが誰の中にも深く根づいていて本質的に同じであることに気づくことでしょう。

 

では、わたしたちが古い物や考えにこだわる根本的原因とは何か?

それは、新しいアイデアや物に対する自信と確信を持てないからです。自信を持てないと、当然ながら不安になります。その不安の根元には、自分の本来の能力、自分の存在に対する認識の欠如があります。そしてさらに、宇宙を創造し営んでいる無限の力とのつながりを認識できないがために、自分を見失ってしまうのです。

 

「真の自己」に限界はないという認識をしっかりと持ってください。そして、だからこそ、あなたが望むことはすべて手に入れることができるし、なりたいものになれるのです。

ただし、この基本的な真実を無視し、自分に与えられているものがかぎられていて、この世界で信じられるのは金や物だけだと思っている人は、新しいことを試すことを恐れます。その当然の結果として、既得のものにしがみつき、同じことばかりを繰り返し行ってしまうのです。

もし、豊かになるための空白の法則の正しさを検証したいのなら、簡単な方法があります。

例えばコップをテーブルまたは机の上に置きます。つぎにそのコップと同じスポットに他の物を置こうとしても、置くことはできません。そこに置くには、まずコップをどかさなくてはなりません。ソファをリビングに置く場合も同じですし、これは洋服の場合でも同じことです。

 

物だけでなく、アイデアについても同じことがいえます。東の方角に行こうとして、突然、西野方角に行こうと考えたら、あなたは身動きがとれなくなってしまうでしょう。つまり、一つの考えを捨てないかぎり、別の考えに基づく行動はできないのです。

 

もう一度言いますが、あなたが手に入れたいと心から望んでいるなら、古いものを捨ててその何かを受け入れるためのスペースをつくる必要があります。これは、揺るがすことのできない人生の絶対法則です。ぜひ、この「空白の法則」を、あなたの人生で生かしてください。

 

メンタルブロックを取り除く

物事が完璧にいかないとすれば、それは個人またはそれにかかわっている人たち(組織)の考え方(思考)が原因です。したがって、「何かを失うことへの不安」を抱く必要などないのです。

不安になることで、安心を得ることはありません。何かにしがみつくことを続けていては、人生を謳歌することはできないのです。なぜなら、人生のネガティブな部分から完全に自由になることが、あなたがいつかたどり着く真に偉大な人間の不可欠な要素だからです。言うまでもなく、人は誰もがいつか必ず、そのような人間になることができます。

別な言い方をすれば、あなたの願望を実現したいのなら、あなたの中をエネルギーが滞りなく流れるようにしなければならないということです。

 

こういうと、あなたは「エネルギーを滞らせる要因は何だろう?」と疑問に思うかもしれません。それらの例をあげるとすれば、疑念、罪悪感、恨み、あるいは不足や制約を示唆するあらゆる考えなどです。これらは、創造のエネルギーがあなたに注入され、あなたの中を流れるのを妨げるネガティブな思考です。例えば、心に美しいイメージを抱けば、気分が最高によくなりますが、こうした阻害要因があると、せっかくの良い気分もフラストレーションに変わります。

 

あなたが自覚せずとも、これらの阻害要因のために、自分が良いイメージを持とうとしても、それを受け入れられるスペースがつくれないのです。だからこそ、自分が望むすばらしいことのためのスペースを確保するために、こうしたエネルギーの流れを妨げる要因を取り払わなければなりません。

さぁここで、あなたの身体は、目に見えない創造エネルギーが流れる媒体であるとイメージしてください。

それは水を撒くときに使うホースをイメージするとわかりやすいでしょう。もし、そのホースがからまていて、結び目があるとしたらどうでしょう。その場合、蛇口の栓を開けても、ホースの先からはポタポタとしか水は出てきません。本来ホースの先から勢いよく出るはずの水が、結び目があるために、水がホースの中を流れないのです。

 

あなたの心の中にある後ろ向きの考えは、このホースの結び目を同じで、エネルギーの流れを滞らせます。それらがなければ、エネルギーはあなたに新たな息吹を注ぎ、人生に豊かな結果をもたらしてくれるのです。

 

ホースの場合、水がちゃんと出てこない理由はすぐに見つけることができます。そして見つかった結び目をほどけば、水は勢いよく流れ出します。

あなたはこれと同じことを、心に関して行わなければなりません。つまり、あなたの心の阻害要因(メンタルブロック)を取り除くのです。

そうすると、あなたの中にはあふれるほどの創造のエネルギーが流れていて、それは永遠に枯れることなく豊富に満ちていることに気づくでしょう。これは過去も、そして未来永劫、決して変わることはありません。エネルギーの流れが滞るとすれば、あなたの不注意(無意識)によってつくられる心の結び目(メンタルブロック)によるものです。

 

本書で紹介した知恵は、まさにその力(エネルギー)が自由にあなたの中を流れるようにして、存分に恩恵が受けられるようにするためです。

さて、あなたは今、本書をすべて読み終えました。最後に一言、あなたにお伝えしたいことがあります。

 

本書の巻頭に戻って、あなたが現在手にしている人生の結果と、本書の知恵を実践することで得ることができるはずの結果を比較してみてください。そしてもう一度、(肩の力を抜いた状態っで)真剣にそれぞれの法則を学習してください。それらがあなたの人格の一部になるまで、繰り返し実践してください

 

覚えておいてください。あなたは生まれながらにして本来豊かなのだということを…。

 

無駄にしていい時間なんて

あなたには、もうそんなに残されていません。

歴史と実績に裏付けられた

原理原則を知っていること。

それが、あなたの自己実現を加速します。

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